トマト

トマトのチカラ

昔の人は、よくトマトの味が濃かったとか、酸味があるのがおいしかったというのを耳にします。トマトにはいろいろな味があるんですよね。トマトの味ってどんな成分でできているのでしょうか。また、トマトにはどんな栄養が含まれているのでしょうか。

トマトって栄養がない?

下の図を見てください。トマトの栄養をにんじんやほうれ草と比べてみまし

こうしてみると、トマトって栄養がないように見えます。でも、トマトにも良いところはあります。まず、にんじんにはアスコルビナーゼというビタミンCを分解する酵素があります。ほうれん草はアクがあって、生で食べると苦く感じます。その点トマトなら、いつでも生で食べることができます。調理をしなくても良いので、外に持っていって食べることもできるわけです。トマトなら、手軽に食べることができそうですよね。

トマトのうまみ成分

おいしい理由のひとつに、うまみ成分があります。トマトには、グルタミン酸とアスパラギン酸といううま味成分が豊富に含まれています。地中海沿岸地方ではトマトをベースにした料理が次々と生み出されました。日本でうまみ成分が含まれている食材といったら、しょうゆや味噌、昆布などがあります。日本では昆布やしいたけなどでだしを取り、魚のうまみ成分と結びついて深い味わいになります。肉や魚を使った地中海料理も、トマトのうまみ成分が欠かせないものになっています。一見似ても似つかないしょうゆとトマトですが、こんなところが似ているんですね。

トマトの酸味

トマトの酸味には、クエン酸やリンゴ酸などがあります。食欲をかきたてるような酸味ですよね。トマトの酸味には、肉料理や魚料理のにおいを消して、野菜の味を引き立てる効果があります。洋風の脂っこい食事には、酸味のある食べ物がぴったりなんですね。また、胃液の分泌が多いとき、トマトジュースを飲むと胃の粘膜を保護してくれて胃の痛みをやわらげてくれます。

トマトの香り

昔のトマトは酸味も強ければ香りも強かったといいます。日本に伝わってきた当初はとても受け入れられる味ではありませんでしたが、その後の改良されたトマトはおいしかったといいます。においが強すぎてもだめ、弱すぎてもだめなんですね。でも好みがありますから、青臭いにおいは嫌いだという人もいるでしょう。トマトの香りには、シトラール、ヘキサノール、ヘキサナールなどが含まれています。トマトを煮込むとにおい成分が蒸発して、青臭いにおいは気にならなくなります。

トマトはなぜ赤い?

トマトの赤い色は、リコピンによるものです。リコピンはカロテノイドの1つで、ベータ・カロテンの兄弟のようなものです。にんじんやほうれんそうにはベータ・カロテンが豊富に含まれていますが、トマトにはリコピンがたくさん含まれています。カロテノイドには、抗酸化作用がありますが、中でもリコピンはベータ・カロテンの2倍以上、ビタミンEの100倍以上の効果があることがわかっています。トマトには栄養がないわけではないんですね。

抗酸化作用(こうさんかさよう)…体が酸化するのを止めてくれる働きです。食べ物やストレス、環境汚染などの理由により、体が酸化すると生活習慣病や老化を招いてしまいます。

おいしいトマトの選び方

トマトは年中出回っていますが、7〜8月が旬といわれています。

  • 全体に赤くはりとつやがあって、見た目より重たいトマトは身がしまっていて食べ応えがあるでしょう。
  • へたがピンとしていて、緑色で切り口のみずみずしいものを選びます。
  • へたの近くに傷やひびがあるものは、味が落ちています。
  • カットしているトマトの場合は、断面を見ます。ゼリーの部分がぎっしり詰まったトマトは甘くておいしいです。
  • 黄色いトマトは、熟さないうちに収穫して、日数が経ったものです。

トマトのおいしい季節って?

トマトのおいしい季節は7〜8月が旬だといわれてきました。これは露地栽培をしたときの場合で、作り方が違うと旬も違います。においがするトマトが好きな人には露地栽培でできた夏のトマトがおすすめですし、コクのあるトマトが好きな人には秋がおすすめです。最近では1年中見かけるトマトですが、季節によって味がちがい、好みがわかれるところです。

トマトの保存方法

ラップに包んで、ヘタを上にして冷蔵庫に保管します。温度が低すぎると味が落ちるので、10℃前後で冷やしましょう。冷凍する場合は、ヘタをくりぬいて専用の袋に入れて冷凍庫に入れます。冷凍庫で1ヶ月ほど保存できます。冷凍したトマトは、ソースづくりやスープ作りなどに向いています。