トマト

永田農法のトマト栽培って?

永田農法のトマトは、普通のものよりも3〜5倍も甘いといわれています。水を張ったボウルにトマトを入れるとすぐに沈みます。果肉がたっぷり、栄養もたっぷりのトマトなんですね。今注目されている、永田農法の栽培方法について紹介します。

今注目の永田農法とは?

厳しい環境で強く育てる

永田照喜治さん

永田農法とは永田照喜治さんという人が開発した方法で、「断食農法」「スパルタ農法」「ルーツ農法」ともいわれています。「美味しんぼ」というまんがの中で、永田農法で作られたトマトが絶賛されています。永田農法で作られている食べ物は、トマト・米・たまねぎなどいろいろな食べ物があります。永田農法では、必要最低限の水や肥料を使って植物が飢えるぎりぎりの状態に追い込んで、本来の力を最大限にひきだします。

肥料をあげすぎるとどうなるの?

説明する永田さんつい私たちは水をたっぷりあげて、肥料もあげられるだけあげたいと考えてしまいます。けれど、肥料をあげすぎると水太りのような状態になって、良くないんです。アクの素であるシュウ酸が増えてしまいますし、肥料が雨で流れると川や海が汚れてしまいます。肥料や水をたくさんあげることは簡単ですが、常に厳しく育てたほうがおいしいトマトが育つんですね。

永田農法の栽培方法

栽培には、化学肥料や化学農薬を使う方法と、化学肥料や化学農薬を使わない有機栽培という方法があります。有機栽培は手間がかかりますが、安全で環境に優しいということで注目されました。しかし永田農法では化学肥料を使っています。有機栽培と永田農法、これまでの化学成分を使った栽培方法では何が違うのでしょうか。

有機栽培で育てる場合

微生物や小動物が土の中に生息して、水分や空気をたくさん含んだ良い土ができます。環境にも優しいです。食べる側の人にとっても、自然に存在するものだけで作られたトマトを食べることができて安心です。けれど有機肥料を与えすぎると、化学肥料を使っているのと同じように硝酸態窒素(しょうさんたいちっそ)という発ガン物質が増えてしまい、人の体の中に発ガン物質が入ってしまいます。有機栽培だから環境や人に優しいというわけではないんですね。

永田農法で育てる場合

土は必要最低限の肥料を与えるだけにして、石ころが混ざっているような、やせた土を使います。苗の植え付け時は苗についていた土は洗い流します。肥料は「窒素」「リン酸」「カリウム」が含まれた液体肥料のみを、1週間に1回与えます。化学肥料を使うといっても、普通の育て方に比べると、わずか10分の1の量です。なぜ液体肥料なのかというと、植物は固形の肥料を与えても吸収しにくいからです。そして永田農法では余分な根をカットすることで、液体肥料を吸収する細かい根が発達します。

永田農法の長所、短所

永田農法の問題点

説明する永田さん 永田農法で作ったトマトの問題点には、1.普通に育てたものより小さい2.農薬を少なくしているので、見た目が良くない3.大量生産ではないため、コストがかかるという点があります。そのため永田農法は家庭菜園に向いているといわれています。

永田農法の良いところ

説明する永田さん しかし、永田農法で作ったトマトには、良いところがたくさんあります。

1. 農薬が少ないので安心

2. 小さくても中身が濃くておいしい

3. 中にぎっしりと詰まっているので重たい

4. 栄養価が高く、体に良いという長所は注目するに値する栽培方法です。

永田農法がめざすものとは?

永田農法がルーツ農法と呼ばれるように、永田さんは原産地に近い環境で育てるのが良いと考えています。トマトの原産地のアンデスというところは、乾燥していて石ころだらけの地域です。

厳しい環境の中でも水分を得ようと、うぶ毛を生やして根を伸ばしています。
永田さんは、原産地の自然環境を再現しようと考えました。
これが永田農法の始まりです。さらに永田さんは、環境に優しいバイオガス・システムというシステムを作ったり、永田農法の指導を行ったり、農業用ロボットの開発に取り組んでいます。
永田さんの視線には、環境問題や農業のこれからが常にうつっているんですね。